魅力的で健全なeスポーツ文化の創造・価値向上を目指して
◆ 本連携の概要
国立大学法人 筑波大学※1、茨城県※2、NTTe-Sports※3、NTT東日本 茨城支店※4 、は、スポーツ科学とICTの融合による eスポーツ※5の健全な発展と普及に資する研究開発や実証実験を行うことを目的に産学官の連携協定を締結しました。
具体的には、筑波大学が持つスポーツ科学の知見を基に、「eスポーツのプレーや観戦がフィジカルスポーツのように人間の心身に有益な効果をもたらすか」や「eスポーツのプレーヤーのパフォーマンスを高めるスポーツ栄養・休養戦略」などの研究を行います。
eスポーツ科学を通じ、eスポーツを「する」「みる」「ささえる」すべての人々に役立つ確かなエビデンスを構築し、それに基づく新たなサービスやプレースタイルを開発・普及することで、魅力的なサービス開発及び健全なeスポーツ文化の創造を目指します。
※1:茨城県つくば市、学長:永田恭介、以下、筑波大学、※2:茨城県水戸市、県知事:大井川和彦、以下、茨城県 ※3:東京都新宿区、代表取締役社長 中村浩、以下、NTTe-Sports、※4:茨城県水戸市、支店長 長野公秀、以下、NTT東日本、※5:eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)とは、複数のプレイヤーで対戦されるビデオゲームを、スポーツ・競技として捉える際の名称です。
1. 本取り組みの背景
eスポーツ元年と言われる2018年以降、eスポーツはその遊戯性のみならず、バリアフリー性や教育的効果に期待を集め、市場規模、プレーヤー数、視聴者数等が大きく伸長しています。その一方、eスポーツのトッププレイヤーが日々の過酷なトレーニングのため早期に引退してしまうケースや、ゲームに熱中しすぎるあまり日常生活に支障が出てしまう「ゲーム障害」が新たな病気として国際疾病分類に加えられたりするなど、eスポーツの科学的研究が十分に進んでいないことから、その価値を十分に引き出せていない状況にもあることが課題となっています。
これに対し、日本最古のスポーツ科学拠点であり、スポーツの健全な発展とその価値の最大化をめざす筑波大学、2019年「いきいき茨城ゆめ国体」文化プログラムにおいて国体史上初のeスポーツ大会を開催し、現在も積極的にeスポーツ普及・振興を推進する茨城県、地域活性化や施設・教育事業等を推進するNTTe-Sports、地域密着でICTを活用したデジタル化を推進するNTT東日本、は、4者の強みを結集し、スポーツ科学とICTの融合によりeスポーツの健全な発展と普及をめざす研究開発や実証実験等を行うことを目的に、連携協定を締結しました。
2. 取り組みの概要
上記のeスポーツ界における課題を解決すべく、脳科学、生理学、栄養学、睡眠学、哲学などのスポーツに関するあらゆる研究手法を駆使し、以下の研究テーマに取り組みます。
なお、本プロジェクトを推進するために筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター(SIRC)において、eスポーツの価値をスポーツ科学で探求する“eスポーツ科学”プロジェクトチームを設置いたしました。
<主な研究テーマ>
(1)eスポーツはフィジカルスポーツが心身にもたらす有益な効果をどこまで再現できるか?
(2)eスポーツとフィジカルスポーツは互いに好影響を及ぼすか?
(3)eスポーツのハイパフォーマンスを引き出す栄養・休養戦略は何か?
(4)eスポーツのプレーや観戦は一体感やチームワーク醸成、コミュニティ促進に有効か? (5)eスポーツの普及を促進するイメージ、ブランド戦略とは?
3.各機関の役割
4.ビジョン(本プロジェクトが目指す未来)
(1)eスポーツを活用したインクルーシブで活力ある健康長寿社会を実現
(2)eスポ―ツプレーヤーのパフォーマンス向上と健康・競技寿命増進を両立
(3)eスポーツによる茨城県の振興と日本全国への発信・普及
(4)上記の研究開発の成果を通じ、eスポーツとフィジカルスポーツのWin-Win関係の構築
5.アライアンスパートナーの募集
研究開発や実証実験の開始にあたり、本取組にご賛同いただける企業様、団体様(機器メーカー、食品メーカー、パブリッシャー、プロチーム等)を募集いたします。詳しくは下記の連絡先までお問い合わせください。
6.今後の取り組み
ローカル5G等の最新ICTの活用や、先進的な技術を持つアライアンスパートナーとの協業を通し、新たなeスポーツシーンを創造してまいります。各社にてプレイヤーやファンのニーズや要望を踏まえて、今後も取り組みの拡大を図ってまいります。
<各機関の連絡先>
◆ 筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター