関東大学対抗戦 vs帝京大学
- tsukubarugbykouhou
- 19 分前
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10月26日(日)に足利ガスグラウンドにて、対抗戦4戦目となる帝京大学戦が行われました。

レビュー担当:小関慶樹(FWコーチ)
<総評>
開幕から2連勝した後、早稲田大学に敗れて迎えた一戦。敗戦から学び修正をかけられるか、筑波の真価が問われる試合となりました。前節の早稲田大学戦では、筑波ラグビーの根幹である「接点、泥臭く、動き勝つ」を完遂できなかったことが反省となっており、原点回帰で筑波がやるべきことを高い強度と精度でやり切れるかが鍵になりました。
前半1分、相手ボールスクラムにプレッシャーをかけフリーキックを獲得。クイックでリスタートし、外展開を試みるも相手にインターセプトされ、不本意な形で早々に失点するところから試合がスタートしました。ただ、選手たちは焦ることなく、リーダー陣中心によくまとまっていたのが印象的でした。
その後は試合を通して楢本(体育4年・東福岡)のキックを中心に効果的にエリアを取り、相手ボールのセットプレーに対してFWがプレッシャーをかけ、相手の有効なセットアタックの機会を潰し続けました。筑波のやりたいことが遂行できていたと思います。
その中で、相手のスクラムハーフやスタンドオフからのキックに対して高橋(体育4年・茗溪)や白丸(体育3年・北陽台)が献身的にチャージを狙いプレッシャーをかけ続けた泥臭いプレーや、接点の局面で粘り強く前進した浜浦(体育2年・春日ヶ丘)や大内田(医学4年・修猷館)のキャリーが印象的でした。
一方で、要所で筑波はアタックのブレイクダウンにプレッシャーをかけられ実際にターンーオーバーされたり、レフリングによってはノットリリースを取られかねないシーンがあり、ブレイクダウンワークの質に関しては決して完璧なものではありませんでした。
また、帝京大学さんにされた2トライ目のシーンからは、ディフェンス局面において疲労下でも高い精度で激しく体を当て続け、スペースを埋めるように動き続けるという点でも、成長の余地があることが伺えました。日本一になるに向けての伸び代として捉え、シーズン後半に繋げていきたいところです。
<印象に残ったプレー>
2つ挙げたいと思います。
1つは前半31分。帝京大学ボールのドロップアウトから始まり、筑波の2トライ目に繋がった一連のシーン。楢本(体育4年・東福岡)のハイパントを磯部(体育3年・久我山)がキャッチ。サポートプレイヤーが素早く相手を排除してできた隙を狙い湯浅(体育4年・高鍋)がピックで前進。倒れた後も素早いリリースから高橋(体育4年・茗溪)がクイックで捌いて相手ディフェンスが前に出られない状況で内田(体育1年・佐賀工)、中森(体育2年・桐蔭)と繋ぎトライ。アタックブレイクダウンへの素早い集散、キャリアのピック判断やリリーススキル、1対1や2対2の局面におけるキャリアの仕掛け等、日頃練習していることがゲームの中で体現できたトライだったと思います。
2つ目には、後半ラスト30フェイズ守り切ったシーンを挙げたいです。
細かいところを見ると、もちろん終始完璧なディフェンスができていた訳ではないかと思いますが、リザーブのメンバー含めて、ペナルティを犯さず接点で引かずに戦い続けたのは素晴らしかったと思います。
<MOM>
MOMには磯部(体育3年・久我山)を選出します。
シンプルに「接点、泥臭く、動き勝つ」を最も体現していたと感じたためです。
前半から、怪我が心配されるほどの強度のコンタクトを繰り返しては立ち上がり、試合終了まで何度も接点の局面に顔を出していたのが印象的でした。彼のハードワークは通常運転で、改まって注目されることはもはや少なくなっている印象ですが、今回はそのワークレートの高さに改めてスポットを当てたいと思います。
今後さらにディティールのスキルに磨きをかけつつ、筑波ラグビーの1番の体現者としてチームを支えていって欲しいです。

<磯部俊太朗(体育3年・久我山)のコメント>
この度はMOMに選出いただき、誠にありがとうございます。
早稲田大学戦の敗戦から、チーム一丸となって「接点」に焦点を当て、日々練習を重ねてまいりました。本日の試合では、個人としてもチームとしても、80分間「接点」の部分で前進し続けることができたと実感しております。
しかしながら、まだまだ改善すべき点も多くあります。次戦に向けて本日の試合を丁寧に振り返り、チーム全体でより一層の成長していきます。
今後とも変わらぬご声援のほど、よろしくお願いいたします。
また、関東協会が選出するこの試合のPOM(Player of the Match)に楢本幹志朗(体育4年・東福岡)が選出されました。

<楢本幹志朗(体育4年・東福岡)のコメント>
10年ぶりに帝京大学に勝利したこの試合でPOMをいただいたこと本当に嬉しく思います。
しかしコメントで言った通りこのメダルは僕だけのものではなく、入念に準備をしてくれたコーチングスタッフや学生スタッフ、部員のみんなのものだと思っております。
とても嬉しい勝利ですが、シーズンはまだまだ続き、これからもタフな試合ばかりなのでより一層課題を克服できるよう毎日積み重ねていきます。
本日は本当に応援ありがとうございました。
レビュー編集担当:岡本泰一


